中年は恋をする 0015

30代半ばを過ぎて

中年という年齢になった。


最近異変が起きている。

よくときめくのだ。

よくキュンとするのだ。


例えば背の高い男性が、
私が来るのが見えて

ドアを抑えて待っていてくれたとき。


何かわからないことを聞いて、

時間差で後で調べて教えてくれたとき。


気楽に誘われて

予約をしてくれていたのを知ったとき。


私はキュンとする。

若いときなら当たり前に、
流すように受け入れていたものが

何だかとてつもない優しさに感じる。


キャバクラのスカウトにあっても

なぜか申し訳なくありがたい。


そして私はやっぱり嬉しい。


自分の中の女の濃度が

薄まってきたからだろう。

女性として見られることに生まれる
驚きと気恥ずかしさ。



18歳のとき、

私は六本木のキャバクラで

働いていたことがある。

信号待ちをしていたとき、
目の前にいた29歳くらいの

芸能人のような完璧なルックスと佇まいの女性がいた。


若い男の子がスカウトの声をかける。


そのとき
その超絶美しい女性は

ありがとうと言った。


声をかけてくれてありがとう。
ごめんねって。

憂いのある声と眼差しで。


若いだけで

傲慢な子供だった私に

その光景は深く印象に残った。

あのお姉さんより
ずっと年上になった今
あの女性の気持ちがわかる。

もう女として第一線ではないけれど

ずっと女なんだ。


中年の恋は純粋だ。
切ない。

永遠に繰り返される。

深く刺さる。


幸せのキュン

謙遜も悪くない。



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