秘密 0013

死んじゃうと
動物って硬くなるんだよ。
冷たくなるんだよ。

温めの朝風呂に浸かりながら
娘が教えてくれた。

動物には人間も含まれているの? 
含まれているんじゃない?

興味なさそうに答えた後
お湯に浸かりながら、娘はちびまる子ちゃんの漫画を読み始める。

丁寧に漫画2冊と
漫画が濡れないように
タオルが窓際に重なっている。

去年のクリスマスに
シリーズでサンタからもらったその漫画を
彼女はずっと繰り返し読んでいる。

娘の焼けた褐色の肌と
私の白い肌が突然生気を帯びてオブジェのように目の前に現れる。

私の肌はマネキンみたいに白い。

彼女の口から語られる死の世界は
私の常識とは違う色味を放つ。


硬いときは死んでいるんだ。
硬いときの自分が目に浮かぶ。
カチンコチンで動いている自分が
目に浮かぶ。

あれは死んでいたんだ。

娘が出た後
世紀の大発見をしたような気になって、まるちゃんを読む。

なるほど。
まるちゃんの世界は
漫画なのに線がやわらかい。

まる子の心が
友蔵の心が
グデングデンにやわらかい。

まる子はこの世の終わりを
何度も経験しながら
生き生きと輝いていた。


生きていることは
やわらかい。

ガチガチになっていたら思い出そう。
 

コビトフカミ

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