運動会のときの母のお弁当の記憶がない。
運動会は毎年ひどく緊張していて
何のためにみんなの前で走らなきゃいけないのかさっぱりわからなくて
ピストルの音に毎回驚き
三三七拍子と暑さと体操着からはみ出たムダ毛が気になっていた。
一年生の時に
小さな子に毛が凄いねと言われ
私は出来る限り優しい顔をしたと思う。
その子の母親が申し訳なさそうにし、私はそれをいつまでも覚えている。
それと、母が私の写真を必死に撮ろうとし私はそれが嫌でしかなたくて、そのことをなぜかとても悪いことをしたように感じて今だに覚えている。
今日は娘の運動会だった。
緊張している娘がいた。
運動会のお弁当。
毎年たくさん作るけど
娘はほとんど食べない。
おにぎりひとつと葡萄ひとつ位。
「 外だと食べれないんだよね」
「 お腹が痛くなるんだよね」
しょっぱい顔で告げられる。
私は毎年何が食べたいか娘に聞いて
お弁当を作る。
彼女がそうして欲しいと思っていて
私もそうしたいと思っているから。
運動会が終わったあと
帰ってきた娘と
リビングでお重を広げて
お弁当を食べる。
娘が大きくなっても
運動会でお弁当を食べなかったことを
悔いることはないと思う。
ピストルの音で一斉に走り出せる子供達を見て
1番を目指して走るって
どんな気持ちなんだろうと思った。
その遺伝子が自分に全くないことに気づく。
私もきっとしょっぱい顔を
している。
コビトフカミ
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